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ONEの取り組み|効率よく運ぶために

目指すはコンテナ海運のゲーム制作!? ONE×東大コラボの共同研究、その狙いとは

渡邉大地
Ocean Network Express Pte.Ltd. | Assistant Manager
渡邉大地
2024年7月24日

「コンテナ海運のゲームを作れたらいいよね・・・。」東京大学本郷キャンパスの一角から、何やら面白そうな会話が聞こえてきました。どうやら話は、先日発表となったONEと東京大学共同設立の社会連携講座「コンテナ・マネジメント・サイエンス(COMS)」に関係があるよう。しかし研究目的のはずの社会連携講座で、なぜゲーム?果たしてその狙いと背景は…。その謎を探るべく、今回は特別企画「ONE×東大特別対談」をお届けします!

ONEと東大が共同研究でタッグ!

2024年5月。ONEと東大が共同で社会連携講座「コンテナ・マネジメント・サイエンス(COMS“コムス”)」を開設する、とのプレスリリースを発表しました。

設置場所は東大の大学院工学系研究科。ONEと東大で3年間の共同研究を行い、担当教員には青山和浩教授、川崎智也准教授が就任します。

プレスリリースによると、共同研究の狙いは、「現在のコンテナ海運業界が直面する複雑化・多様化したさまざまな分野横断的な課題に対し、文理を問わず知を結集し、持続可能で未来志向のコンテナ船事業の構築に向け、産学一体となった研究を長期的視野で実施する」とあります。

社会連携講座に関するプレスリリース

Ocean Netwrok Express Pte.Ltd.

Ocean Network Express and the University of Tokyo partner to establish Social Cooperation Prgoram"Container Management Science"

東京大学大学院工学系研究科

Ocean Network Express社と社会連携講座「コンテナ・マネジメント・サイエンス」を共同開設

ONEと東大のコラボ講座と言うと面白そうですが…でもその背景や狙いとは?今回は、本講座を担当する川崎先生と、講座開設に関わったONE社員の一人、渡邉大地との対談を通じて、社会連携講座「COMS」の背景と狙いを解き明かしていきます!

川崎智也 | 東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻准教授。日本海事センター研究員、日本大学助教、東京工業大学助教を経て、東大には2020年8月に着任。研究分野は物流システム工学,サプライチェーン・マネジメント,物流交通データ分析など。

渡邉大地 | Ocean Network Express Pte.Ltd.アシスタントマネージャー。大学・大学院時代はコンピュータ科学を専攻。就職活動で海運業界のスケール感・ダイナミックさに魅せられ、海運業界に入る。就職後はデータ分析などを通じた研究開発に取り組み、2023年10月にONEに赴任。

やるなら本気で、異例のスピード決定

―本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、まず社会連携講座とは何なのか、そこからお聞きしてよいでしょうか。社会人講座のようなものをイメージしたのですが…。

川崎 “講座”という言葉には幾つか意味があって、確かに公開講義という意味もありますね。ただ、同時に“研究グループ”といった意味合いもあって、今回の社会連携講座は、一言で言えば大学と企業の共同研究の枠組みです。東大ですと、工学部だけでも、さまざまな企業との間で何十個もの講座が既に開設されているんですよ。

―なるほどなるほど。では改めて今回の東大×ONEコラボですが、どんなきっかけから話が始まったのでしょうか?

川崎 契機は、ONE主催のコンテナ海運サミットですね。コンテナ海運にあるさまざまな課題について、学識経験者を交えて話し合うというイベントで、私は昨年3月の第1回以来、これまで3回全てのサミットに参加させてもらいました。この時、最初のサミットで、“ONEは目先ではなく中長期的な業界全体の問題に関心があるのだな”とすぐ感じたんです。同時に、“普通の会社はこんなイベントはやらない。面白い会社だ”とも思いましたね。

渡邉 私も第1回目から参加していますが、確かに一企業がこういうイベントを開催するのは珍しいかも知れませんね。

川崎 その時に、“こういう企業と一緒に新しいことに取り組めたら”と思いました。するとその日のうちに、お互いどちらからともなく、“共同研究みたいなことができたらいいですね”と話が盛り上がっていって。じゃあ、やるなら本気でやろうと。

第1回目サミットに出席した川崎准教授

渡邉 ONEはもともと、データの価値をすごく重要視する会社なんです。船の運航にしてもコンテナの回送にしても、データを活用した効率化には非常に力を入れている。ただ、そういった日々のオペレーション効率化にデータを活用するのに加えて、もっと将来を見据えて中長期の視野で研究したり、あるいはさらなるデータ活用の可能性について検討を行うような機能を充実させたいという考えがずっとありました。

川崎 私の専門である交通分野の研究は、リアルな現場を知る必要があるんです。その点、ONEは実データの宝庫ですし、一方で今、話があったように中長期の視点でデータをさらに活用し、一歩先のコンテナ海運を実現したいというマインドを持っている。お互い、どちらからということもなく、こういった話になっていったように思います。

―相思相愛のように始まったんですね!

川崎 ちなみに、具体的な議論が始まったのは2023年6月頃でしたが、東大では翌年4月から講座を開始するとなると、申請締め切りは前年の10月です。だから実質4カ月ぐらいで全部準備したことになるのですが、これ、記録的な速さなんですよ。普通は数年かかるんです。それだけONEの意思決定が速いということで、これは今、東大内で少し話題になっています(笑)。

一歩先のコンテナ海運を実現したい

―では講座の中身の方を見ていきましょう。この講座で達成したい目標として、「サステナブルでレジリエントなコンテナ海運の実現」、そして「次世代海運を担う人材の育成・輩出」という2つを掲げていますね。

渡邉 コンテナ海運会社として、コンテナ船の運航やコンテナの管理、さらにマーケティングや営業といった、いわば“オペレーション”がONEの本業です。そして、効率的に事業を展開するために、業務は高度に分業化されており、それぞれの分野で多くの社員がベストを尽くして効率化に取り組んでいます。

―競争が激しいコンテナ船業界では、こうした効率化は必須ですよね。

渡邉 ただ一歩引いて考えると、果たして効率性の追求のみで本当に良いのか、という見方もあります。効率性の追求と、インフラとしての冗長性・堅牢性はトレードオフの関係にあります。コンテナ船サービスは、世界の経済やサプライチェーンを支えるインフラです。止まることが許されないインフラとして、効率的であるだけでなく、同時に持続性(サステナビリティ)と強靭さ(レジリエンス)も併せもたなければいけない。

川崎 事業において効率性の追求は当然ですが、サステナビリティとレジリエンスはついつい疎かにされがちです。昨今は色々と予想もしないような事態が起こりますよね。地政学的な問題からスエズ運河が通航できなくなったり、水不足でパナマ運河の通航が制限されたり…。社会インフラは、実際には大勢の人々の大変な努力によって支えられていますが、往々にして無くなった時に初めてその価値が分かる。こういうインフラとしての冗長性、レジリエンスの大切さは、もっと広く認知されないといけないと思います。

渡邉 もう1つの目標である“次世代海運を担う人材の育成・輩出”ですが、海運会社を構成する要素として、船やコンテナなどのアセットだけでなく、人材も大切ですよね。そして人というのは、やはり出入りがある。今は分業化を通じ効率性を追求していますが、各分野におけるノウハウや知識は、まだまだ暗黙知や職人芸に依る部分が残されているわけです。そういった知識・ノウハウをしっかり形式知として継承し、各業務としての効率性は追求しつつも、同時に全体を俯瞰してインフラとしての堅牢性を高め、一歩先のコンテナ海運を目指さないといけない。今回の社会連携講座では、企業と大学の共同研究を通じ海運を志す学生を育成・輩出するだけでなく、企業側の人材もまた、共同研究に携わって新たな経験を蓄積していく、ということも目的の1つです。“レジリエンス”という言葉には、将来のコンテナ海運を実現していく人材をしっかり育てていく、という意味も込められています。

川崎 その点、大学というのは、これまでにない新しい視点を提供できる場でもあり、また学生がいます。より多くの学生が海運業界、コンテナ船産業を知って興味を持ち、認知度があがってそこで働くようになれば、その点でも業界としての持続性に繋がりますね。

ノウハウ・知識を目に見える形に

―なるほど良く分かりました。そして、その2つの目標を目指すために、具体的に取り組む柱として、次の3つが挙げられています。

・最適なコンテナネットワークの構築

・そのネットワーク上で船やコンテナを最適に動かす方法

・顧客満足度をいかに高めていくか

川崎 3つ並べていますが、敢えて出発点を挙げると、一番下の“顧客”の部分でしょう。まず顧客の行動原理、彼らが何を大切にするのかを、もっと深く知る必要がある。例えば顧客はなぜブッキングをキャンセルするのか、本船スケジュールの遅延という事象に対し、どれほどの“損失価値”を見出しているのか…。こうした事をより精緻に把握できれば、海運会社側もそれに合わせた意思決定がしやすくなります。そして顧客の行動原理を深く理解できたら、それに合わせて船やコンテナをどのように動かせばいいのかも、そのためにどんな航路ネットワークを構築すればいいかも見えてくるはずです。

―今の時点でも、決してそういった事をやっていないわけではないですよね?ただ、それがまだ経験や暗黙知に基づいていることが多い、ということでしょうか。

川崎 はい、そういう知識を形式知へ変えていく。理論立てて整理することで、“今、こういう状況が生じているなら、次にこういう事が起こるだろう”と考えやすくなり、企業としてさまざまな状況に柔軟に対応できるはずです。

渡邉 大切なのは、この研究の3つの柱も、お互いに連携しないといけないということです。研究もただ分業化するだけでは、部分最適の集合体になってしまう。先を見据えて全体最適を目指すという姿勢が大切です。

“ゲーム”という言葉が持つ可能性

―そこで、冒頭に登場した「ゲームを作ったら」という話に繋がるんですね。より詳しく言うと、「ゲームか、あるいはコンテナ海運ビジネスをサイバー空間で再現するシミュレーションモデル」という言い方が正しいですが。

川崎 これは、COMSに参加される青山先生のアイディアなんですが、すごくいいですよね。 “シリアスゲーム”と呼ばれますが、教育や能力開発においてゲームを用いるのは良くあることなんです。私の同僚に、避難訓練の研究をしている人がいます。避難訓練はとても大切ですが、小さい子どもたちにその大切さや、いざという時の行動を伝えるのは大変ですよね。そもそもなかなか話を聞いてくれないし(笑)。そこで避難訓練を模したゲームを作って、いかにうまく伝えることができるか、という研究があるぐらいです。

―それは大人でもやってみたくなりますよね。

川崎 それと同じようなことができたら、と思うんです。ゲームとはいかなくとも、コンテナ船事業における意思決定要素や変数をモデル化して、各要素が相互にどう依存しているかを描き、この要素が例えばこう変わった時、例えばプライシングを担当しているあなたはどう行動しますか、その結果はこうなりました、と示せるような。

渡邉 コンテナ海運会社の業務は分業化しているものの、実際には各業務はお互いに密接に関連しあっており、“このサービスはここが良くない”、“じゃあここをこう変えよう”という部署・チームを越えたコミュニケーションが日々発生しています。そういうコミュニケーションを活発化して、より良いサービスを作り上げていくとき、ゲームやシミュレーションモデルのように皆で一緒に見れるツールがあると凄くいいと思います。

川崎 “ゲーム”という言葉は、最初のハードルを下げますよね。やってみようかな、という気になる。日々の日常の中で海運の存在は意識しづらいですが、ゲームを通じてなら体験できる。大学だけでなくもう少し下の高校生ぐらいも対象に教育的な目的を果たし、業界自体の認知をあげるという効果すら期待できるかも知れません。

―コンテナ海運ビジネスというゲームには、まだ解き明かされていないルールが多くある。だからゲームを作れるぐらい、そのルールを解き明かしていこう、という言い方もできるかも知れませんね。

渡邉 ただ今回の社会連携講座の成果物として、ゲームなりシミュレーションモデルといったものになるかもしれませんが、実際には、その過程で得られるものがとても大事なのではないかとも思っています。

川崎 はい、最終成果物が結果的に、当初目指していたものとは違うものになるかも知れません。我々も全力で臨みますが、研究である以上は失敗だってあり得る。しかし研究課程のなかで残るもの、発見するものが多くあって、それこそが大切な財産なんです。仮に最終目的地まで辿りつかなくとも、その過程できっと多くのものが得られるでしょう。

―実際には長い道のりになるのでしょうね。ただその…、やっぱりゲームはやりたいのですが・・・。

渡邉 発売されたら自分は買いますよ!

川崎 その時はみんなで一緒に遊びましょう(笑)

話し手
渡邉大地
Ocean Network Express Pte.Ltd. | Assistant Manager
話し手
川崎智也
東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻 准教授
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